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歩留まり改善小技集





Q1: ワークの延べ長さに対する定尺材料の組合せを求めるときに、在庫の端材も使いたいのですが?(CombiCalc)

定尺材料以外に「在庫の 8.7mx1本 も使いたい」 と仮定しましょう。
CombiCalc に与える「定尺材料リスト」に8.7mを加えてしまうと、1本しかない8.7mの材料が複数本必要な解も列挙されてしまい、 うまくありません。
このような場合、「必要延べ長さ」から “在庫材料長さの合計値を引いた値” を与えて計算してください。
たとえば前ページで花子さんが解いた問題では、必要延べ長さ 184,590mm のところを
175,890mm(=184,590 - 8,700)として計算します。
使いたい材料長さの合計を必要延べ長さからあらかじめ引いて計算するということです。


Q2: 定尺材は若干長めですが、この余分を有効に利用するにはどうしたらいいですか?(共通)

たとえば6mの定尺材料も、きちんと測ると 6,020mm だったりします。
その場合、材料長さとして 6,020 を与えて計算してください。 この微妙な20mmが歩留まりの明暗を分ける場合もありますね。


Q3: せん断するので切り代は要らないのですがどうすればいいですか?(Blizzard,Seek)

切り代をゼロにして計算してください。


Q4: 小数点のついた計算はできないのですか?(Blizzard,Seek)

申し訳ございませんが、整数データ以外には対応しておりません。
お手数ですが、“ワーク長さ”も“材料長さ”も整数になるように10の累乗倍して計算し、結果を10の累乗で割ってください。
(「そのくらいソフトでやっとけ!」って話もちらほら)


Q5: 歩留まりを改善するために端材をつないでも構わないのですが、つなぎの箇所がなるべく少なくなるような計算は出来ますか?(Blizzard,Seek)

たとえば、「5.5mx10本から切り出したい」としましょう。
その場合、“5.5mx2本”を“11mx1本”に見立て「11mx1本 、5.5mx8本」 の材料で計算してみましょう。 これで割付解が見つかれば、つなぎは1箇所となります。
まだ割付不能が発生するなら今度は「11mx2本 、5.5mx6本」として計算します。 これで割付解が見つかれば、つなぎは2箇所になります。
それでも不能になるなら・・・、手順はもうお分かりですね?


Q6: Blizzard-GA やBlizzard-LPの画面にあるパラメータにはどんな意味があるのですか?

現在、簡単なヘルプを作成しておりますので、しばらくお待ちください。
それまでは、申し訳ございませんがデフォルトの状態でご利用ください。
特に、Blizzard-LPの探索設定にある枝刈りオプションを変更した場合は最適解を得られなくなる場合がございますので ご注意ください。


あるユーザー様の活用法:

以前に、 Blizzard のユーザーの方にお会いする機会があり、歩留まりがどのくらい改善されたか伺ったところ、
「歩留まり改善の問題だけじゃなくて、ゼロか100かなんですよ」 とのこと・・・
はじめはピンと来なかったのですが、お話を伺ってみると、その方は見積もりの段階で活用されているようで、 従来は全体重量に対して3〜5%の材料ロスを加算して見積もっていたのを、Blizzard で厳密に計算するようにしたそうです。 「数パーセントの歩留まり向上も大切だけれど、その数パーセントのために価格競争に負けると受注そのものが出来なくなる」 ので、「数パーセントの改善どころではなくて、ゼロか100かだ!」という訳です。
ほんの数%の価格差で、価格競争に勝てる。そこで、「これまで発生していた材料の無駄から、この数パーセントを捻出しよう。」
思ってもいなかった活用法に驚きつつ、十二分に活用されている様子に、うれしい気持ちになりました。




番外編: 必要とする延べ長さが非常に短いために歩留まりが極端に悪くなってしまうのですが?

たとえば、「1m しか必要ないのに、購入できるのは 5.5m 」ということですね?
この場合、原因が設計にありますので設計変更を依頼しましょう。部材の変更ができないなら、ビルトを提案してはいかがでしょうか? 断面性能が確保されれば設計も文句はないはずです。

補足: この例でわかるように、材料歩留まりは設計で決まってしまうものなので、切断指示書の作成は 本質的には設計の仕事の一部です。設計は、少なくとも割付リストを資料として提供するべきでしょう。
設計段階で切断指示書を作成すると、以下のようなコスト削減策も可能になります。

  1. 「使用する鋼材の種類が極力少なくなるように構造設計し、イレギュラーな部材についてはビルトする」
    材料費が高騰している昨今(2008'7月現在)では、型鋼よりも板材から最適形状にビルトしたほうがコスト的に有利な場合もあります。
    サイズの制約がなくなるので設計の自由度も大きくなり、贅肉を排除するのにも有効です。
  2. 「切断指示書を作成しながら、歩留まりが悪い場合は部材長について再検討する」
    どうしてもその長さでなければならないのか?違う長さの組合せにできないか?再検討してみます。
    建築で例えると、柱長さがネックになるならベースプレートの厚みや、基礎のレベル、継ぎ手の構成などに変更を加えて、 きっちり収まるようにします。
  3. 「在庫の材料を優先的に使って設計する」
    1台限りの装置の場合は、基本設計の段階で在庫の材料リストとにらめっこをしながら断面の設計をします。
    在庫の材料を優先的に使って要求性能を満足する構造設計をすることで、在庫を一掃し眠っている資金を回収できます。

番外編のおまけ:

AutoCAD をご利用の方は、VBA で断面性能を算出できますので、要求性能きっちりの断面を設計できます。
こちらのコード を、AutoCAD-VBAエディタ に貼り付けて、下の動画を参考にして実行してください。
頻繁に使う場合は、コマンド登録してボタンを作成しておくとよいでしょう。

YouTube が別のタブで開きます。ブラウザのサイズを調整してご覧ください。
簡単な図形編   :    複雑な図形編

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